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訪問鍼灸マッサージに関するノウハウを網羅的に発信します!

施術関係

【3】訪問鍼灸・マッサージで頻発する症状

①はじめに
②悪性腫瘍
③糖尿病
④パーキンソン病
⑤さいごに


①はじめに

 今回も引き続き、訪問鍼灸マッサージの現場でよく見かける症状について、解説していきます。前々回前回の記事も参照くださいね。


②悪性腫瘍

 各種、癌がある方も多く見られます。治療は手術抗がん剤放射線治療などが主なものと考えられます。

 私たち訪問鍼灸マッサージは直接の治療には携われませんが、通院による上記等の治療には大変な疲労を伴うと思いますので、それらを少しでも緩和できるように努めたいところです。

 また、ターミナルのご依頼を頂くことも少なくありません。ターミナル期は、今の時間を有意義に充実して過ごせるため、少しでもお手伝いできるよう考えたいですね。

 疼痛や疲労感、虚脱や精神状態低下などの症状が現れることが多いので、この辺りに介入ポイントがあるのではないでしょうか。あとは、関わり方や会話など、人間的な要素も大変重要になってきます。


③糖尿病

 糖尿病単独で依頼をいただくことは少ないと思われますが、別の主訴に併せて症状をお持ちの方は比較的多い印象です。

 手首や足首付近に、なんとなく膜がかかったような痺れがある場合は、糖尿病由来の可能性が考えられます。他には免疫力が低下し易感染状態になっている、食事制限をしている、という場合があります。

 腎臓の状態が悪く、透析を受けている方もいるかもしれません。透析は1回辺り4~5時間かかり、多い方は週に三日ほど受けています。全身筋緊張や、かなりの疲労が想像されるので、この辺りが緩和できれば、大変喜ばれるのではないでしょうか。


④パーキンソン病

 疫学上は、65歳以上の方では1%ほど見られるそうです。ただ、訪問鍼灸マッサージでは、それ以上に多く見かける印象です。

 全身の筋緊張が強く、腰が前傾したまま固まれば疼痛が出ることも多いようです。また、すくみ足突進歩行があり、特に狭い場所や曲がる場所でバランスを失うことが多く、転倒が増える傾向です上肢の振戦もあり、思うように身体を動かせないので、ご本人様も精神的に不安定になることが多いと思われます。

 レビー小体型認知症を併発するケースも多く、幻覚幻聴が現れる場合もあるそうです。

 パーキンソン病と類似した症状を持つ疾患として、「進行性核上性麻痺」「多系統萎縮症」「大脳皮質基底核変性症」があり、厳密な鑑別は困難とされています。パーキンソン病に効果が高いL-ドパの効き目が悪い場合は、上記の可能性が高いと考えられます。

 また、パーキンソン病ではないけれども、該当の症状が現れているものは「パーキンソン症候群」と呼ばれます。正常圧水頭症、脳炎、脳血管疾患由来、薬剤性によるもの、などが挙げられます。


⑤さいごに

 今回挙げた項目は、訪問鍼灸マッサージでは直接の治療は難しいものです。ただ、痛みを減らすなど症状を緩和し、少しでも快適に日々を過ごすためお手伝いすることは、十分可能であると思います。

 知識があれば、患者様やケアマネージャーにご説明し、より強く信頼を得られることにも繋がります。この文章が、少しでもお役に立てば幸いです。