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訪問鍼灸マッサージに関するノウハウを網羅的に発信します!

施術関係

【2】訪問鍼灸・マッサージで頻発する症状

①はじめに
②転倒・骨折
③各関節疾患
④呼吸器疾患
⑤さいごに


①はじめに

 今回も、訪問鍼灸マッサージで、比較的よく見られる症状を紹介していきます。前回の記事は、こちらをご覧くださいませ。


②転倒・骨折

 高齢者は歩行バランスの低下により、転倒が頻発します。また、骨密度も低下傾向にあるので、ちょっとした衝撃で骨折が発生してしまいます。

 高齢者に起こりやすいのは、大腿骨頚部骨折(股関節)、上腕骨近位端骨折(肩)、橈骨遠位端骨折(手首)脊柱圧迫骨折(背中)です。

 特に、大腿骨頚部骨折は予後が悪く、股関節であるためリハビリも思うように進まず車椅子生活を余儀なくされたり、寝たきりに繋がったりすることも多く見られます。加えて、動作が少なくなるので、認知症が進行することも珍しくありません。

 脊柱圧迫骨折は、しりもちをついた時によく起こります。転倒直後は痛まなくても、しばらく時間が経ってから急激に痛み出すことがあり、後で検査したら骨折していた、ということもよく聞きます。ですので、しりもちをついたという話を聞いたら、例え今は痛みがなくても叩打痛などを確認した上で、即刻検査を受けていただくようにお伝えしましょう。

 また、施術の際も力加減を誤り、圧迫骨折を起こしてしまうことがありますので、十分注意しましょう。


③各関節疾患

 全般的に動作が少なくなる傾向があるので、関節拘縮は起こりやすいと言えるでしょう。

 疾患ベースでは、変形性膝関節症変形性股関節症脊柱管狭窄症関節リウマチなどをよく耳にします。これらを「治す」ということは難しいですが、痛みを緩和したり、動作を改善したりすることは可能でしょう。

 これらがあると、痛みにより動作バランスが不安定になることが想像されます。すると、上記の転倒に繋がりやすくなるので、注意が必要です。疼痛が緩和されるだけでも、歩行バランスや姿勢が改善するので、まずは痛みを和らげることができれば、大きな一歩だと思われます。


④呼吸器疾患

 COPDや、間質性肺炎肺癌などが挙げられます。強い疲労感があり、ほんの数メートル歩いただけで、血中酸素濃度が大幅に低下するケースもあります。可能であれば施術師もパルスオキシメーターを準備し、いつでも計測できるようにしておきましょう。

 肺機能の低下がある方は、在宅酸素を活用している場合もあります。酸素を着けていると呼吸はかなり楽になりますが、一方的に酸素を送られるため、肺機能の低下がさらに促進してしまうというデメリットもありますので、患者様の変化には注意していきましょう。

 上背部や胸筋の筋緊張を緩和したり、可能な範囲で胸郭を広げたりするように工夫することにより、呼吸が楽になる場合もあります。呼吸が楽になれば疲労感が軽減され、動作への意欲も湧いてくれば良い傾向ですね。


⑤さいごに

 比較的多く見られる疾患には、こういったものがあります。他にも、神経難病や自己免疫疾患など、多種多様なものがありますので、インプットは常にしていきましょう。