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訪問鍼灸マッサージに関するノウハウを網羅的に発信します!

受領委任制度

初めてレセプトを出す際の注意点【訪問鍼灸・マッサージ】

今回は、レセプトを出す際の注意点を改めて振り返っていこうと思います。
特に、初めてレセプトを出す際は「これで大丈夫かな…」「不備がないかな?」「返戻になったらどうしよう…?」と不安になることも多いと思います。
もちろん、最初ですから不安になることは当たり前です。ただ、敢えてお伝えすれば「ちゃんとやれば大丈夫!」です。仮に返戻になったとしても、きちんと訂正して再送付すれば大丈夫ですし、そうやって一つずつ覚えていくものだと思います。
以下、整理すべきポイントを挙げますので、じっくり見ていきましょう。
 
 
①公的機関を整理する
 
保険請求をする上では、様々な公的機関、役所とやりとりすることになります。どの事務手続きはどの役所にて行うべきか、まずはしっかり整理しておきましょう。
 
・保健所
開業の届出をする際に必須です。保険を扱う扱わないに関わらず、まずは届出を出しましょう。
 
・地方厚生局
保険施術にてレセプトを取り扱う際は、届出が必要です。ここに届出をして受理されてから、初めてレセプト業務が有効となります。
ちなみに、届出をしなくても保険施術を行うことはできますが、その場合は100%償還払いとなりますので、施術者患者双方負担が大きく、あまりお勧めはできないと思います。
 
・国保連
正式名称を 国民健康保険団体連合会 といい、各都道府県に設置されている公的機関です。
毎月の、国保及び後期高齢の方のレセプトを纏めて送付する先の機関となります(一部例外あり)。また、レセプトの書き方に関するルールに関する問いあわせも、適切な回答を得られるのが国保連です。
 
上記の3つの機関は特に重要ですので、混乱しないよう整理しておきましょう。
他にも、生活保護の方の施術を行ったり、重度心身障碍者(一部地域でマル障マル福などと呼称)の方の施術を行ったりする場合は、別の機関に届出を出すこともあります。
 
 
②受領委任の届出
 
先にも述べた通り、レセプト業務を行う際は、地方厚生局に受領委任を扱うための届出が必須です。
また、誰でも無条件に届出を出せるわけではなく、「施術管理者」になるための要件を満たす必要があります。その要件とは
 
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の国家資格を有する
・上記資格にて1年以上の実務経験(時間など細かい条件あり)
・施術管理者研修を修了する
 
であり、これら全てを満たさないと届出は出せません。ただ、施術管理者研修は2日間の受講で修了できますので、実質的には1年以上の実務経験があれば、可能となります。
また、届出を出した後は、おおよそ一月くらいで施術管理者宛てに「登録記号番号」が付与されます。この登録記号番号はレセプトに記載する必要がありますので、レセプトを提出できるのは届出から最低でも一月はかかると考えましょう。
※受領委任による保険施術自体は、届出の申請日から有効ですので、後は医師の同意書があれば業務可能です。
 
 
③機関コード
 
こちらは全県ではなく、特定の一部の道府県において、「登録記号番号」とは別に取得が必須となるコードです。
取得する際は国保連(県によっては後期高齢)に問い合わせる必要があり、こちらも発行されるまでに一月ほど要します。これらの県は、「登録記号番号」「機関コード」の異なる二つのコードがないと、レセプトが受理されません

機関コードが必要かどうかは、国保連、あるいは後期高齢のHPで調べることができますし、電話問い合わせでも回答はもらえます。
開業時だけでなく、初めてレセプトを出す県がある場合は、必要かどうか調べる癖をつけておくと良いでしょう。機関コードがいることを知らず、数ヶ月単位で入金が遅れるケースは結構耳にしますので、予め調査をしておきましょう。
 
 
④償還払い
 
償還払いの詳細に関しては、こちらの記事「償還払いとは」をご参照ください。
 
さて、受領委任の届出をすればレセプト業務は可能ですが、100%ではありません何故ならばレセプトを送付する保険者が、受領委任に加盟していない場合があるからです
とはいえ、私たちの顧客になりうる90%の患者様は「国民健康保険」「後期高齢者医療保険」であり、こちら現時点は全てレセプト発送が可能です。

そうでない可能性があるのはいわゆる「健保」「社保」と呼ばれるもので、これらは個々で対応が異なります。そのため、受領委任にてレセプトが出せるかどうか、償還払いの対応になるかは、個々保険者に確認する必要があります
確認を怠り、レセプトを発送したら「ウチでは受け付けません」と言われる可能性も大いにあります。患者様にもご迷惑をかけることになるので、保険者が社保の場合は、サービスを開始する前に必ず確認をしましょう。
 
 
⑤10日必着
 
レセプトですが、特に指定がない場合は10日必着となります。例えば1月分の施術であれば、1月31日締めの2月10日必着、といった要領です。また、時々国保連などから「~月分は早め(〇日まで)にお願いします」といった依頼の通達が来ることもありますので、その場合は指示に従いましょう。

さてこの10日必着ですが、遅れても受理されない、ということはないのでまずはご安心ください。ただしですが、翌月分の扱いとなります。つまり該当月の療養費が入金されるのが一月遅くなりますので、単純にキャッシュフロー上不利になってしまいます。特に理由がなければ、もちろん早い方が良いですよね。仮に返戻になれば、さらに遅くなってしまいますし…

その基準を把握した上で「10日必着であれば、〇日までに郵送すれば良いから、患者様からの署名は×日までに貰う必要がある」という形で、業務スケジュールを逆算して決めていきましょう。そのようにすれば、土壇場になって慌てることもなくなると思います。
10日必着、忘れないようにしましょう。
 
 
初めてレセプトを請求する時は、上記の手順をしっかり確認して、抜け漏れがないようにしましょう。
これら手続きをちゃんと踏んでいれば、あとは必要な書類が全て揃っていて内容に不備がなければ、返戻にはならずしっかり受理されますので安心してくださいね。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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著者プロフィール
●足森大起(あしもり だいき)
一橋大学卒業後、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得。訪問マッサージの現場にて、個人宅や施設での施術経験を積み、ケアマネ営業や請求業務にも対応。
現在は、制度や現場に精通したサポート担当として、年間100事業所以上の新規開業や受領委任制度の相談に携わるほか、業務支援サービスのユーザーサポート・品質管理にも従事。
保険請求セミナーの講師として制度理解の普及にも取り組んでいる。
趣味は居合い抜刀術で、年に数回滝で修業も積んでいる。