学生向け
在宅施術の勧め~訪問鍼灸・マッサージ~
こんにちは!国家試験を後一か月後に控え、学生の皆様は最後の仕上げに入っている頃だと思います。全力で頑張ってくださいね。
さて、国家試験に無事合格した後は、就職或いは開業など、色々な道があると思います。私たちは「訪問鍼灸マッサージネットワーク」という団体ですので、やはり訪問・在宅を選んでいただける方が増えると、大変嬉しく思います!
ここでは、改めて在宅、訪問の魅力をお伝えしていきますね。
①本当に必要としている方に、施術を届けられる
在宅で施術を受けられる方は、ほとんどが「歩行困難」の方です。歩行困難の定義は厳密には難しいのですが、いずれにせよご自身で病院に行ったり、施術所に行くことが大変難しくなります。
例えば、車椅子の方、寝たきりの方、なども比較的多いですね。
どうしても動かずにいることがほとんどですので、身体が辛かったり強張ったり、或いは褥瘡ができたりなど、辛いことが多くなります。鍼灸やマッサージの施術は、このような状態に対して本当に良い効果が出せますし、施術後の患者様の穏やかな表情が見られると、私たちも本当に嬉しくなります。
また、患者ご本人様は介護を受けられていることも多いですが、ご本人様の状態が良くなると介護者の方の負担も減るので、周りの方々にも貢献できると思います。
②地域連携の環に加われる
訪問鍼灸マッサージは、大半はケアマネージャーから患者様を紹介いただきます。そのため、ケアマネージャーはもちろん、ケアプランに組み込まれているヘルパーや訪問看護、訪問リハビリなどと連携する形になります。
加えて、保険施術を開始するには同意書が必要ですので、医師との連携も必須です。
このように、施術者個人としてではなく、チームケアの一員として、患者様やご家族様と関われることは、大変貴重なことだと思います。
筆者も施術者ですので、つい「私が治した」という、自分の力量に目を向けたくなることもありますし、それ自体決して悪いことではないのですが、やはり一人でできることには限界があると思います。限界があるというよりは、チームケアの方が、自分にとっても患者様にとっても、圧倒的に良い仕事が出来る、という感覚でしょうか。
地域の環に加われ、自分の居場所を見つけられることは、自身の人生にとっても間違いなく良いことだと、自信を持って言えるでしょう。
③実技の習熟が早くなる
訪問鍼灸マッサージは、在宅で行うことが多いので、施術する環境は安定しません。介護ベッドの割合が比較的多いのですが、床に布団を敷くこともあれば、椅子に座った状態で行うこともあり、これら全てに対応する必要があります。スペースが狭いとか、しょっちゅうありますね(笑)
また、患者様の体位もまちまちです。施術所での施術は伏臥位のイメージが先行しますが、在宅では、うつ伏せになれる方はほぼいらっしゃいません。メインとなるのは側臥位ですが、寝たきりの方は仰臥位のままの場合もありますし、端坐位のみのケースももちろんあります。
このように、ありとあらゆる状況に対応し、かつ効果を出す必要があります。そのため、初めて訪問に入った場合、他と比べて確かに難度が高くなる傾向はあります。
ただ、逆に言えば、早期から貴重な経験ができますし、繰り返している内に自然と身についてくるものです。新人スタッフも、最初は側臥位に不慣れで戸惑うこともありますが、実際に現場に入ると、ほんの数回でもの凄く上達することもよく見かけます。その時のスタッフの充実した表情は、忘れがたいものがありますね!
④移動のメリット
この項目に関しては、捉え方は個人差があると思います。筆者は、一カ所にじっとしていることがあまり得意ではないので、色々な場所を移動することが、良い気分転換になっています。
また、治療院によっては事業所に来ずとも、患家へ直行、直帰を認める場合も少なからずあると思います。このように、自分に合った働き方を選択しやすいのも、訪問の魅力の一つです。
また、店舗の場合は悪天候だと患者様が来にくく、売上に影響しますが、訪問の場合はこちらから行くので、その点も強みになると思います。付け加えれば、患者様にとって待ち時間が発生しないのもプラスでしょう。
ここで紹介しているのはほんの一端ですが、本当に楽しく貢献できる分野だと思いますので、今後就職などで悩まれた際は、是非ご検討くださいね!よろしくお願いいたします!