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治療院と訪問施術の両立はかなりハードルが高い?
今回は、治療院と訪問施術の両立について、書かせていただきます。
こちらに関しては、恐らく開業を控えていて悩んでいらっしゃる方も多いのではないかと思いますし、実際にお悩みのご質問を頂戴したこともあります。きっと多くの方が感じている、
「このやり方で大丈夫なのかな…?」
「とてもじゃないけど、自分では無理なのでは…」
という不安は、本気で前に進もうとしているからこそ生まれる自然な気持ちです。その姿勢自体がすでに素晴らしいことだと思いますし、きっと着実に進んでいけるのではないかと思います。
少し長くなりますが、悩んでいらっしゃる方に少しでもお役に立てるよう、以下にまとめさせていただきます。
① 治療院と訪問施術の両立について
たしかに、両立には一定のハードルがありますが、目的や体制をしっかり整えることで、十分に実現可能です。特に訪問では、施術における技術だけではなく、例えばこれらのような実務、能力、気配りが必要になってきます。
・医師からの「同意書取得」に関する説明、文章作成力
・ケアマネジャーや看護師など、医療・介護職との連携
・訪問スケジュール管理、レセプト請求などの事務対応
・ご家庭での生活状況や疾患背景への理解・配慮
これらは一朝一夕で身につくものではなく、現場経験があってこそ学べることも多いため、独学だけで進めようとすると、不安になるのも無理はあしません。
ですが、訪問業務は「仕組み」と「連携」を理解できれば、一つひとつ着実に習得していけますので、ぜひ前向きに捉えていただければ嬉しいところです。
②治療院と訪問施術を両立するメリット
実際に治療院と訪問施術を両立した場合に、このようなメリットが考えられます。わかりやすく分けてみたので、見ていきましょう。
1)来院/訪問の両方で収益が立つため、リスク分散ができる
例えば、悪天候の場合は来院患者は目に見えて減少しますが、訪問の場合は影響されない点は強みです。このように、どちらかの状況が芳しくなくても、どちらかでフォローができるのは強みです。
2)通院が難しい方にも対応でき、「親切な院」として信頼を得やすい
「あの先生は腕が良いけど、場所が遠い」「入口が階段になっている」など、通いたいけど通えない場合は諦めざるを得ませんが、訪問も併せて行っていれば、患者さんの悩みも解決できますね!
3)医療、介護層との接点が増え、患者層が広がる
ご存じの通り訪問は医療、介護関係との連携が大事になります。当然、ケアマネジャーなどコミュニケーションをとることが多くなります。場合によってはそのケアマネジャーが来院してくださって、さらに良い治療効果が出れば訪問をどんどん紹介してくれるようになった…という好循環も期待できます。口コミの幅が広がるのはかなり強みになるのではないでしょうか?
4)ケアマネジャーなど専門職の方に、治療の価値を知っていただく機会になる
上記と重複しますが、専門職の方が来院して治療を受けてくださる…こんなにありがたいことはないかと思います。
5)あらゆるシチュエーションでの施術ができるので、技術向上が早い
来院される方は、老若男女を問わずいらっしゃるでしょう。統計を取ったわけではありませんがやはり40~50代が多い印象です。ただ、10代で運動部をバリバリ頑張っている学生が来ることもありますね。
訪問はその点、高齢者が主体になります。また、訪問はご自宅での施術が多いので、治療院と異なり施術環境が安定しません。ベッド、ソファー、床、車椅子…さらには患者様が可能な臥位もまちまちで、うつ伏せが出来ない、仰向けになれない…など人によって様々です。
このように、ありとあらゆる経験を早期に積むことができるので、気付いたら施術が達人レベルになる、ということも珍しくないのではないでしょうか?これも嬉しい側面であると考えます。
③両立における課題
当然、来院と訪問の二刀流を行うわけですので、課題も幾つか出てきます。
一番の大きな課題としては、訪問と来院それぞれの時間帯・枠組みの設計が必要になる点です。例えば、訪問施術は「毎週〇曜日の〇時~」というように、毎週の予定が決まります。そのため、その時間に来院を入れることは不可になります。
ということは、基本的に飛び込みの来院を受け入れることはそもそも難しくなるので、予約制が必須となります。予約可能時間も、移動時間を含めて細かく検討する必要があります。約束の時間に遅れてしまうと大変ですからね。
曜日を固定して〇曜日は来院のみ、〇曜日は訪問のみ、と分けるのも良いですが、仮にケアマネジャーから依頼があったとしても、来院のみの日に訪問を入れることはできませんので、調整の不自由さがネックになります。
逆に、こういった時間割が地域に浸透するようになれば、皆も「そういうものだ」と受け入れてくださるので、デメリットが薄くなり、両立の強みだけが残ります。こうなれば最高ですね!
また、保険を使う場合には、同意書・レセプトといった制度理解、実務が不可欠になります。両立でなくても訪問を行う場合は必須ですが、煩雑なレセプト業務など時間を多くとられてしまい、施術者の疲労も大きくなる可能性があります。そのため、効率良い動きを模索する必要があります。あと、セルフケアは必須になりますね。お休みの日は思いっきりリフレッシュしましょう!
④最後に
こうして整理してみると「ひとつずつ課題を明確にして、適切な環境に身を置けば、きっとできそう」そんな気がしてくるのではないでしょうか?
訪問施術の世界は奥が深く、時に地道で根気のいる取り組みも求められます。ですが、それはつまり、患者様やご家族様の日常生活そのものを支える、かけがえのない医療行為でもあります。
今は不安があって当然ですが、焦らず、一つひとつを積み重ねていけば、必ず「地域にとって必要不可欠な施術師」になれると強く思います。
この文章が少しでも助けになれば嬉しく思います!ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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●足森大起(あしもり だいき)
一橋大学卒業後、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得。訪問マッサージの現場にて、個人宅や施設での施術経験を積み、ケアマネ営業や請求業務にも対応。
現在は、制度や現場に精通したサポート担当として、年間100事業所以上の新規開業や受領委任制度の相談に携わるほか、業務支援サービスのユーザーサポート・品質管理にも従事。
保険請求セミナーの講師として制度理解の普及にも取り組んでいる。
趣味は居合い抜刀術で、年に数回滝で修業も積んでいる。