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訪問鍼灸マッサージに関するノウハウを網羅的に発信します!

受領委任制度

受領委任制度の意義

 今回は、原点に立ち返り、受領委任制度の意義について、再度見て行こうと思います。ちょっと硬い話になりますが、お付き合いくださいませ。

 書類やルールなどに関しましては、他のページにもございますのでここでは省かせていただき、意義や理念について考察していきます。

 
 受領委任制度は、平成31年1月1日からスタートしました。実は、それ以前は訪問鍼灸マッサージには統一されたルールといったものがほとんどなく、提出書類もレセプトと同意書のみで審査が完了していました。
 
 故に、どうしても不正請求が散見されて問題視されていました。そこで、厚生労働省の元で全国統一のルールを作り、書類一式も厳正化した上で、こちらも全国統一が図られたという流れです(一部例外あり)
 
 
 公的な文章からも、引用させていただきますと
 
 「受領委任は、施術者と地方厚生(支)局長及び都道府県知事が受領委任の契約を締結することにより(中略)保険者等への療養費請求手続が明確化され、必要に応じて地方厚生(支)局及び都道府県から施術者や開設者に対して指導監督が行われ、療養費の不正又は不当な請求への対応が行われることを目的とするものである
 
 私たち治療院が、厚生局としっかり契約を結ぶ必要があり、書類手続きを明確にしもし不正があれば指導や監査が行われる、ということが明言されています。
 
 要するに、不正対策の徹底ですね。そのために、受領委任以前よりも書類手続きが相当煩雑になりましたが、不正対策という観点からは、意義あるものだと思われます。
 
 
 「施術者と地方厚生(支)局長及び都道府県知事の受領委任の契約の締結は、施術者や開設者に対して、一定のルールに基づく施術や療養費の請求等を行うことを求め(後略)
 
 つまり、統一されたルールに従って請求をする必要があるということですね。
 
 
 「また、受領委任の取扱いを認めることが不適当な施術所の施術者に対してはその取扱いを中止し、中止を受け5年間を経過しない者など不適当な施術者や開設者に対しては受領委任の取扱いを認めないものであり、さらに、中止を受けた施術者に対しては国家資格についての行政処分を行う場合もあり、このように、施術者との受領委任の契約の締結は、本来的に行政が行うべきものである
 
 違反した場合は、受領委任の取扱が5年間停止される可能性があり、さらに国家資格についての処分も言及されています。ここからも、不正対策に力を入れていることがよくわかります
 
 
 ちなみに、以下の要件に当てはまる場合は、受領委任の取扱ができません。
 
(1) 施術管理者である施術者又は勤務する施術者が受領委任の取扱いの中止を受け、原則として中止後5年を経過しないとき。
(2) 当該申出を行った施術管理者が勤務し又はしようとする当該施術所の開設者がこれまで開設していた施術所の施術に関し、当該開設していた施術所に勤務していた施術者が受領委任の取扱いの中止を受け、当該中止後、原則として5年を経過しないとき。
(3) 受領委任の取扱いの中止を受けた施術管理者に代えて当該施術所の開設者から施術管理者に選任された者であるとき。
(4) 不正又は不当な請求に係る返還金を納付しないとき。
(5) 二度以上重ねて受領委任の取扱いを中止されたとき。
(6) 施術管理者又は当該施術所の開設者が第8章 40 の指導を重ねて受けたとき。
(7) 施術管理者又は当該施術所の開設者が健康保険法、同法第 65 条第3項第3号に規定する政令で定める国民の保健医療に関する法律又はあん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和 22 年法律第 217 号)に違反し罰金刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
(8) 施術管理者又は当該施術所の開設者が禁固以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
(9) 施術管理者又は当該施術所の開設者が健康保険法、同法第 65 条第3項第5号に規定する社会保険各法に基づく滞納処分を受け、かつ、当該処分を受けた日から3ヶ月以上の期間にわたり、当該処分を受けた日以降に納期限の到来した社会保険料のすべてを引き続き滞納している者であるとき。
(10)受領委任の取扱いの中止を逃れるために承諾を辞退して、その後しばらくして受領委任の取扱いについて申出をしてきたとき。
(11)指導監査を再三受けているにも関わらず、指示事項について改善が見られず、再申出時を迎えたとき。
(12)その他、受領委任の取扱いを認めることが不適当と認められるとき。(厚生(支)局長及び都道府県知事が、受領委任の取扱いを辞退した施術者若しくは廃止された施術所について、受領委任の取扱いを中止すべき案件(以下「中止相当」という。)である旨決定した場合において、上記(1)から(3)及び(5)に該当する場合を含む。)
 
 色々と項目はありますが、要するに「何らかの不正を犯したり、法律を犯したりした者は、受領委任の取扱が受けられない」ということです。
 
 受領委任制度の取扱いができないということは、レセプトを使った保険請求ができない、ということです。保険請求をする場合は償還払いしか方法がなく、ハードルが上がってしまいますので、やはり受領委任制度を使えた方が良いのではないでしょうか。
 
 受領委任制度の意義はこのように、不正対策、この点に強く現れています。業界を明るくするためにも、不正請求は徹底的になくしていきたいところですね。