受領委任制度
現場のレセプト返戻~実例集~
こんにちは!訪問鍼灸マッサージの事業所様は、レセプト業務はつつがなく行えていらっしゃるでしょうか?
今回は、実際にあった、または起こりやすい返戻について、どのようなものがあるかまとめてみました。是非ご覧になり、予防にお役立てくださいね。それでは、見ていきましょう。
今回は、実際にあった、または起こりやすい返戻について、どのようなものがあるかまとめてみました。是非ご覧になり、予防にお役立てくださいね。それでは、見ていきましょう。
〇必要書類の添付忘れ
これはどのレセコンを使っていても、起こり得る事象ですね。患者様によって、同意書、施術報告書、1年以上・月16回以上施術継続理由・状態記入書などの添付が必要です。どの方に何が必要か、事前にチェックしておきましょう。
〇年月日の間違い
これは、Excelシートでレセプトを作成している場合に起こりがちです。先月のシートをコピーして作成した場合は、月日を先月のままにして変え忘れてしまうことがあります。注意しましょう。
〇同意書の不備
・必要事項記入漏れ
・筋麻痺、筋萎縮、関節拘縮に〇がついていない
・変形徒手の際、診察日と同意日の間にひと月以上差がある
など
私の体感ですが、レセコンを使っている事業所の場合、同意書にまつわる返戻が一番頻度が高い印象です。医師は多忙な上、訪問鍼灸マッサージの制度に詳しくない方も多いため、どうしても抜け漏れが生じてしまうことがあります。
チェックの段階で不備が見つかった場合は、病院に加筆や修正をお願いしましょう。もし、同意書不備で返戻になった場合は、恐らく2~3か月分連続で返戻になってしまいますので、注意しましょう。
〇施術報告書交付料の月相違
施術報告書交付料ですが、こちらは交付月が限定されています。もし間違ったタイミングで出した場合返戻になります。意外と多いようです。
〇負担割合相違
患者様の一部負担金(1割~3割)の負担割合が相違しているため返戻になるものです。こちらも意外と多く見られます。70歳になったタイミングで、3割が2割になるケースや、前年度の収入によって負担割合が上がるケースがあります。お誕生日は要確認ですね。
〇保険者相違
送付先の保険者が異なる、というものです。よく起こるのが、患者様が月途中で75歳になられた場合ですね。75歳になった後は、国保ではなく後期高齢の扱いとなるため、レセプトの送付先がその瞬間から変わります。上記と併せ、70歳、75歳のお誕生日は忘れないようにしましょう。
〇2024年10月の療養費改定にまつわる返戻
・「傷病名、発症又は負傷の原因及びその経過」欄の不備
ルールが変更になって一番返戻が多かったのはこちらです。9月までは空欄で良かったのが、10月からは空欄だと返戻になりました。書き方もある程度指定があり、①同意書傷病名②原因③経過 の3つが網羅されていないと、返戻になる可能性が高いようです。この辺りは、保険者によってやや差が見受けられます。
・業務上・外、第三者行為の有無 3.その他 の後の( )内が空欄
こちらもマイナーチェンジで( )が追加されました。これは、確かに中々気付きにくいと思います。この( )が空欄だと返戻になります。「不詳」「不明」などと書いておけば、概ね問題ないと考えられます。
〇レアケースな返戻
・性別相違
患者様の性別を間違えて記載したものですね。実際に確認したことがありますが、何故間違えてしまったのでしょうか…(笑)
・同意年月日相違
上記の「同意書の不備」に該当しますが、例えば今年の1月1日の日付の記載がある筈なのに、よく見ると「令和6年」になっていた、ということです。これも実際に確認したことがあり、すぐに修正をお願いしました。かなり見落としがちなので、その時に気付けて良かったと思いました。年明けは要注意ですね。
現場で確認できる返戻としては、上記のものが多い印象です。こちらを参考に、レセプト業務を行う際はお気を付けくださいませ。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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●足森大起(あしもり だいき)
一橋大学卒業後、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得。訪問マッサージの現場にて、個人宅や施設での施術経験を積み、ケアマネ営業や請求業務にも対応。
現在は、制度や現場に精通したサポート担当として、年間100事業所以上の新規開業や受領委任制度の相談に携わるほか、業務支援サービスのユーザーサポート・品質管理にも従事。
保険請求セミナーの講師として制度理解の普及にも取り組んでいる。
趣味は居合い抜刀術で、年に数回滝で修業も積んでいる。