ケアマネ営業
ケアマネージャー向けの報告書
①はじめに
②SOAP
③報告書作成
④おわりに
①はじめに
今回は、ケアマネージャー向けの報告書について述べていきます。受領委任制度に直接関わりはありませんが、訪問の治療院を運営する上で大変重要な業務であると考えられます。
報告書の質や読みやすさは、次の紹介を頂けるか否かの大きな要因となりますので、丁寧に作成することや、オリジナリティを意識することも必要になってくるでしょう。
②SOAP
報告書作成のコツとして、SOAPを意識することが挙げられます。SOAPとは、
S:Subjective(主観的)
O:Objective(客観的)
A:Assessment(考察)
P:Plan(計画)
のことです。読みづらい文章でよく見かけるのが、患者の主訴(S)と施術者の考察(A)が混ざっているものです。共有されている事前情報がない読み手ではこれらの判別がつけられず、混乱を招く文章になってしまいます。こういったことを防ぐために、カルテや日報をつける段階からSOAPを意識することをお勧めします。
例えば、以下の要領で考えることができるでしょう。
a)訪問した際に主訴や体調を伺い、その情報をSとして記入
b)バイタルサインや関節可動域、浮腫の有無などを確認し、Oとして記入
c)次にSとOを参考に、患者様が訴えている症状の原因や今後の見通し等を考察し、自分の考えをAとして入れる。
このようにすると維持、改善、悪化が把握しやすくなり、今後の対応策Pを立てやすくなります。
毎回SOAP全てを記入する必要はありませんが、意識を働かせるだけで書き方に変化が現れるのではないかと思います。日々の訪問でカルテに記入した上記の内容を、月々の報告書にまとめるようにすると、整理された文章の作成がしやすくなるでしょう。
③報告書作成
報告書を作成する際は、まとめられた日報がベースになります。月次報告書の場合、週2回の施術であれば8回程度の日報が溜まっているはずですので、情報量としては十分でしょう。報告書は長すぎても読むのが大変ですので、文章にするならA4用紙1枚に収まる量が丁度良いと思われます。
日報の中から、報告すべき優先度が高いものを選んで記入していきましょう。例えば、転倒、熱発など重大な出来事は必須です。ケアマネージャーが把握している情報でも、身体のプロという異なった視点を持つ方面からの報告は有益な情報となります。
また、文章を冗長にしないため、情報の取捨選択も重要です。不要な情報を削ることで、シンプルで読みやすい文章になります。どの情報が不要であり削るべきか、読み手の立場になって考える癖をつけることで、選択を行いやすくなってくるのではないかと思います。
これらを意識しつつ、客観的事象(O)に対し、患者様本人はどのように感じているか(S)、それを踏まえ施術者はどう評価したか(A)、それに対しどのように対応したか、或いはするつもりであるか(P)を明確に記すようにすると、読み手は把握がしやすくなります。
施術者の考えやプランが明瞭であれば、より安心してご利用者様を任せやすくなるのではないかと思います。
④おわりに
ケアマネージャーへの報告書作成は、受領委任制度の請求業務としては必須ではありませんが、チーム医療の一員としては必須の業務です。ケアマネージャーは介護におけるチームリーダーの位置づけですが、ご利用者様と直接会う機会は私たち施術者ほど多くはありませんので、現場のリアルな情報は大変貴重です。
ご利用者様の日常のご様子や、身体の専門家ならではの視点をお伝えし共有できると、チームの一員として信頼される存在になるでしょう。
ご利用者様の日常のご様子や、身体の専門家ならではの視点をお伝えし共有できると、チームの一員として信頼される存在になるでしょう。