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訪問鍼灸マッサージに関するノウハウを網羅的に発信します!

受領委任制度

【あはき療養費改定】自家施術・特別な関係とは?

もくじ
①はじめに
②本改定の骨子
③自家施術
④特別な関係
⑤さいごに


①はじめに

あはき療養費改定が、令和8年7月に行われます。
今回の改定において、注意が必要なのが「不適切な患者紹介や同意書取得等に係る療養費の支給対象外」に関する項目です。
実際の運用がどのようになるかがまだ不透明であり、様々な憶測を呼んでいます。

今回のこの改定にフォーカスし、記事を書かせていただきます。
 

②本改定の骨子

この項目の骨子は、特定の施術所への患者誘導、または患者による妥当な施術所の選択を阻害する行為の厳格な取り締まりです。
厚労省の文言では

「施術所が、集合住宅・施設・請求代行の事業者若しくはその従事者、医療機関、医師又はその関係者等(以下「他の事業者等」という。)に対して金品(いわゆる紹介料その他の経済上の利益)を提供し、患者の紹介を受けることは、特定の施術所への患者誘導につながる蓋然性が極めて高く、また、患者による妥当な施術所の選択を阻害するおそれがあることから当該紹介の結果なされた施術については、療養費の支給の対象外とすること」
出典:「はり師、きゅう師及びあん摩・マッサージ・指圧師の施術に係る療養費の支給の留意事項等について」の一部改正について(令和8年6月5日保医発0605第3号) [PDF:1,755KB] 

と書かれています。
金品の提供での紹介による施術は療養費対象外、という事実はもちろん重要なのですが、「患者による自由な施術所選択が阻害されるから」という根本理念を認識しておくと、今後の対応も検討しやすくなります。


③自家施術

自家施術ですが、まず項目の定義から確認します。

家族の定義: 同居、或いは生計を一にしている(生活費を共有している)者。
関連施術所の定義: 施術者自身が開設している、または勤務している施術所など

これらに該当する場合は、療養費の支給対象外となる旨、記載があります。
なぜならば、「患者自身が自由意思に基づいて選択しているとは考えにくい」からです。
7月を以て即刻無効、という強硬措置が取られるかは不透明ですが、いずれは対象外の扱いになりますので、該当する場合はひとまず保険者に確認をお願いいたします。


④特別な関係

本改定でたびたび見る「特別な関係」という文言ですが、これは何を指すのでしょうか?
厚労省の通達で詳細をご確認いただけますが、施術所と施設側の代表者が同一や親族など近しい関係であったり、親会社子会社の関係にあったり、契約などで紹介斡旋があったりすると、「特別な関係」に該当する模様です。
ただし、これらも即刻対象外と判断されるかどうかは不透明で、保険者の個々の判断に依るところです。

本項目も、大事なポイントは一貫しています。

「施術所と他の事業者等が特別の関係にあり、実質的に患者による他の施術所の選択ができない場合は、当該他の事業者等の入居者等に対して行われる施術については、療養費の支給の対象外とすること」
出典:「はり師、きゅう師及びあん摩・マッサージ・指圧師の施術に係る療養費の支給の留意事項等について」の一部改正について(令和8年6月5日保医発0605第3号) [PDF:1,755KB]

と通達に記載がある通りで、適切なプロセスで患者が複数の施術所から選択できるのが明らかであれば、療養費の対象と見做される、という解釈も可能です


⑤さいごに

この改定項目は、該当・非該当の明確な基準を整えるのが困難であるため、これまで以上に保険者の個々の判断が必要となりそうです。
また、「金品」「特別な関係」に該当する細かな条件を精査するのも大事ですが、より大事なのは、改定の骨子を把握することだと考えます。
すなわち、「患者の自由意思に基づく施術所の選択が担保されている」点を満たすようにすれば、保険者判断にて療養費の対象と見做され得る、と考えてもよいでしょう。
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著者プロフィール
●足森大起(あしもり だいき)
一橋大学卒業後、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を取得。訪問マッサージの現場にて、個人宅や施設での施術経験を積み、ケアマネ営業や請求業務にも対応。
現在は、制度や現場に精通したサポート担当として、年間100事業所以上の新規開業や受領委任制度の相談に携わるほか、業務支援サービスのユーザーサポート・品質管理にも従事。
保険請求セミナーの講師として制度理解の普及にも取り組んでいる。
趣味は居合い抜刀術で、年に数回滝で修業も積んでいる。